お客様と直接対話をする仕事であれば必ず経験するクレームやカスハラ。特に私が勤めてきたコールセンターという仕事は、クレーム・カスハラは日常茶飯事です。慣れている人ですら、無茶なクレームを長時間対応すると心も疲れてしまいます。
誰でも苦情対応はしたくないものですが、人によっては本来クレームにならないものを自分の対応によってクレーム化させてしまう人がいます。今回は、なるべくクレームにしない4つの対応方法を紹介していきます。
クレームにしない4つの対応方法

クレームや苦情は、できる限り受けたくないものですが、クレームをゼロにすることは不可能です。消費者が人間である以上、クレームや苦情は必ず生まれます。ただし、クレームの数については、対応の方法である程度は減らすことができます。
クッション言葉を使う
・お手数をおかけしますが…
・恐れ入りますが…
・失礼ですが…
・差し支えなければ…
基本中の基本ではありますが、クッション言葉がしっかり使える人と使えない人では大きな差になります。クッション言葉は、このような『本題の前置きの言葉』として使います。特に、「お手数をおかけしますが」「恐れ入りますが」はどのシチュエーションでも使えます。
クッション言葉を入れるだけで、こちら側が下手に回って『悪いと思ってるよ、お願いしますね』という雰囲気を簡単に出すことができます。
同情して相手の雰囲気に合わせる
・迷惑がかかった系 → 申し訳ない感
・急いでる系 → 急いでる感
・わからない系 → しっかり調べますよ感
その場だけでも相手の雰囲気と心情を合わせることで、相手への理解を示すことができます。
これでお客様側は、自分の気持ちをわかってくれて、ちゃんと対応してくれそうな人だな..と思ってくれます。ほとんどのクレームは、対応側と客側の信頼関係が崩壊した時に燃え上がります。相手の心情に合わせることが、信頼関係を構築する第一歩となります。
理解している姿勢を示す
理解の姿勢を示すことができない人は、無愛想・単調な相づちになったり、わからないことを言われて本当にわからない感じが出てしまう人になってしまいます。
日々の対応の中で、お客様が言っている内容が理解できないことは多々あります。ただし、あなたがその知識が無いからと言って、自信の無い対応をされるとお客様の信頼をなくしてしまいます。
その場では、演技でもいいのでわかっている雰囲気、またはわからないなりにもしっかり解決をしようという姿勢を出していきましょう。
・今わからなくてもあとで保留をとって調べられる。
・調べる為に,今わからなくても言っていることはメモしとく。
お客様が求めるオペレーターは『自分の問題を解決してくれる人』です。自信の無さそうな人には対応してほしくありません。
適切な相づちをうつ
・はい。
・さようでございますか。
・ええ。
・おっしゃる通りです。
相づちがワンパターンだと、この人自分の話聞いてるのか?(理解してるのか?)と思われてしまいます。
この相づちの種類以外にも、『相手が話した単語をオウム返しする』という相づち方法もあります。オウム返しは、相づちに変化をつけ、相手の話を理解してる感を出すことができます。
例

今、この●●で登録してるんだけどさ。

●●ですね。
このように相手が言った単語(要点)を復唱して、相づちとして使う。これが結構どこでも使えて、なによりもお客様の話に共感してる雰囲気を簡単に出すことができます。
結果を端的に伝えるのはNG
人の考え方を大きく2つに分けると、感情的と論理的な考え方があります。クレームの多くは、態度が悪い・説明がわかりにくい等、感情的な原因がメインです。『ダメなものはダメ』と説明したところで、収まってはくれません。
ダメなことを端的に伝える前に、しっかり『あなたの気持ちもわかりますが、』『申し訳なく思ってますが、』という姿勢を言葉で伝えることが大切です。その為に上で紹介した4つの対応方法が重要になってきます。
クレームを自分で増やさない
クレーム対応の中には、どんなに丁寧に対応してもどうしてもクレーム化してしまう人はいます。ただ、本来はクレームにならずに終われた対応も、間違った対応をすることでクレームに発展してしまう対応もあります。後者の場合は、自分で自分を苦しめることになってしまいます。
今回紹介した4つの対応方法は、基本的な内容ではありますが、徹底して行えている人は少ないです。逆にこのような簡単な内容を身につけることで、余計なクレーム対応を減らすことができ、自分の対応能力の底上げにも繋がります。